朝ドラ カーネーションとは
2024年9月23日月曜日から再放送が始まる朝ドラ「カーネーション」とは、2011(平成23)年10月3日から2012年3月31日までの間にNHKで放送された連続テレビ小説です。
ヒロイン・小原糸子の人生と時代背景を丁寧に描く朝ドラ「カーネーション」は、女性ファッションデザイナーの草分けである小篠綾子をモデルにしたドラマでもあります。
その朝ドラ「カーネーション」のあらすじを前半の第1週から第13週までお知らせします。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第1週「あこがれ」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第1話
大正13年9月。岸和田だんじり祭の日の朝、11歳の小原糸子(二宮星)は、出かける父・善作(小林薫)を元気いっぱいに見送る。母・千代(麻生祐未)、祖母ハル(正司照枝)たちと子どもたちが待ち構えるなか、だんじりがやって来る。近所の青年・泰蔵(須賀貴匡)が務める「大工方(だいくがた)」が、だんじりの上で舞う姿に糸子は憧れを募らせる。いつもの生活が始まっても、糸子の頭の中は、だんじりのことでいっぱいで…。
朝ドラ カーネーション 第1週 あらすじ 感想
第1週「あこがれ」はヒロイン・小原糸子がまだ小学校に通っていた頃のお話で、糸子を主に演じるのは尾野真千子さんではなく子役の二宮星さんです。第1週は朝ドラ「カーネーション」が新しく始まったばかりで、周りの登場人物たちを説明するような週です。
しかしながらすでにこの頃には糸子はパワフルな存在です。「カーネーション」前半の見どころであるお父ちゃんこと小原善作(小林薫)さんとの力関係が描かれる、これから展開するドラマの先を期待させる週です。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第2週「運命を開く」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第7話
小原糸子(尾野真千子)は、女学校から走って帰っては、夢中で裁縫をする日々を送っていた。父・善作(小林薫)は呉服屋の客を増やすことをねらい謡の教室を始めたが、商売には結びつかない。ある日糸子は、呉服の集金の途中にあるパッチ屋の店先でミシンを見かける。布が勢いよく縫われていく様子に糸子の目がくぎ付けになる。糸子は“このミシンこそ、自分が乗れるだんじりだ”と思い、目指す物をつかんだ気持ちで有頂天になる。
NHKクロニクル 連続テレビ小説 カーネーション(7) 「運命を開く」より
朝ドラ カーネーション 第2週 感想
第2週からヒロイン・小原糸子の青年期が始まり、糸子役は二宮星さんから尾野真千子さんにバトンタッチします。
「小原呉服店」は父・小原善作の経営がまずく、小原家の家計は楽ではありません。にもかかわらず、女学校に通わせてもらっている糸子は授業が退屈で仕方がありません。そんなとき糸子は「桝谷パッチ店」で、洋裁師の道に進むきっかけとなったミシンに初めて出会います。
「カーネーション」第2週では14~15歳ぐらいの女の子を意識していたと言う尾野真千子さんの演技に注目でしょう。また糸子の人生において生涯のライバルとなる、岸和田の高級料亭・「吉田屋」の吉田奈津(栗山千明)との掛け合いも見逃せません。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第3週「熱い思い」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第13話
糸子(尾野真千子)は女学校を辞めることを善作(小林薫)に許され、パッチ屋で働くことになった。千代(麻生祐未)に付き添われ、意気揚々と初出勤した糸子だが、優しかった職人たちが皆、どこか冷たい。理由を尋ねると兄弟子は「これまでは客だったから、ちやほやしたが、一番下っ端になったからには相応の仕事をしろ」とお茶くみや掃除などの雑用を押しつけてきた。糸子はミシンには触ることもできず、仕事の厳しさを思い知る。
朝ドラ カーネーション 第3週 感想
女学校を中退した糸子は「桝谷パッチ店」の職人見習いとして洋裁師の道を歩みを始めます。ミシンに触りたくして仕方ない糸子の横では、渋い顔をした善作がなぜか「勉強やぞ、勉強と」と言います。その父の言葉の意味を知ったのは初出勤した後。すでに女学校を中退していた糸子に退路はありません。
しかし小原家で母と妹の会話をきっかけとして、職人修行も悪くはないと感じるようになった糸子は、「桝谷パッチ店」の店主から夜中にミシ遊んでいるミシンを使えることを知るようになります。
そしてパッチ屋で見習いを始めて2年後には、父のためにアッパッパを作れるようになるなど、第3週は糸子が洋裁師としての駆け出しの頃に経験した天国と地獄がえがれるような週です。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第4週「誇り」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第19話
桝谷パッチ店を辞めさせられた糸子(尾野真千子)。落胆している糸子に、善作(小林薫)は「早く次の働き口を探せ」と言う。しかし仕事は、なかなか見つからない。ある日、岸和田に洋服を着た美しい女性が現れた。根岸良子(財前直見)というミシンの販売員で、東京のメーカーから派遣されて営業に来たのだ。根岸は、木之元電キ店の店先で実演販売をすることに。糸子は根岸の美ぼうや、掲げる洋服を目を輝かせて見つめる。
朝ドラ カーネーション 第4週 感想
第4週では、糸子が東京のミシンメーカー講師の根岸良子に洋裁を教えてもらいます。1週間限定の個人レッスンであるために根岸良子は洋裁の技術的なことよりも、地方では珍しかった洋服を着る人の気持ちをまず教えようとします。
そこで糸子に洋服を着て岸和田の街を歩くように指導します。そのときの糸子を演じる尾野真千子さんが着る洋服のダサさと、恥ずかしそう顔が見ものです。当時の地方は和装が主流で洋服など着たことがない人が、ほとんどであったことを強調したかったのでしょう。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第5週「私を見て」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第25話
黒田屋百貨店の火事で和服の女性が逃げ遅れたというニュースを聞いた糸子(尾野真千子)は、心斎橋の百貨店に走る。店員の着物姿を確認し、支配人の花村(國村隼)に制服を作らせてほしいと直談判する。自作のワンピースを見せる糸子だが花村は取り合わない。だが、制服はデザインが大切という花村の言葉から、糸子はセンスのよい八重子(田丸麻紀)に相談する。そして一晩で10枚ものスタイル画を仕上げ、翌朝再び花村を訪ねる。
NHKクロニクル 連続テレビ小説 カーネーション(25) 「私を見て」より
朝ドラ カーネーション 第5週 感想
小原家は「小原呉服店」の看板をかけたまま、糸子が洋裁師として百貨店の制服納入の仕事を取ってくる週です。尾野真千子さんが制服の試作品を作って、自ら商談に出向くシーンが見ものです。また朝ドラ作品に通算8作品の出演経験があり、「第5週」のゲストでもある、國村隼さんとの大阪弁と岸和田弁の掛け合いも見逃せないでしょう。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第6週「乙女の真心」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第31話
糸子(尾野真千子)は小原「呉服店」で洋服作りを始め、妹の静子(柳生みゆ)が作ったチラシを配る。それを見た吉田屋の芸ぎ・駒子(宮嶋麻衣)が糸子の初めての客となる。別の店で作った洋服は失敗だったという駒子だが、糸子は体型や雰囲気に似合うデザインを考えて張り切る。しかし生地代を善作(小林薫)から借りるのに一苦労する。一方、奈津(栗山千明)は結婚を控え、糸子には絶対に洋服を作ってもらわないと言い張る。
NHKクロニクル 連続テレビ小説 カーネーション(31) 「乙女の真心」より
朝ドラ カーネーション 第6週 感想
洋裁師として「吉田屋」に出入りする芸妓・駒子(宮嶋麻衣)から洋服作りの注文を受け取ったはいいものの、代金を取り損ねた糸子。善作が激怒するのは当然としても、商売の下手さに泣いてしまうのは意外でした。
ここから糸子は洋裁師としてではなく、商売人としての修行に出されます。その第一弾は紳士服テーラー「ロイヤル」。のちに結婚して小原家に婿に入ることになる、職人の川本勝(駿河太郎)に出会いますが。糸子は結婚や恋愛のことなど眼中にない様子です。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第7週「移りゆく日々」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第37話
奈津(栗山千明)の父が亡くなり、吉田屋は若おかみの奈津が支えることに。強がりの奈津に、糸子(尾野真千子)は、いらだちさえ覚える。一方、勝(駿河太郎)が予想したとおり、糸子が作るドレスは踊り子の間で評判になり、紳士服ロイヤルは大繁盛。糸子は自宅でもミシンを踏む日々。だが店主(団時朗)はドレスを見下していて、糸子は面白くない。そんなある日、泰蔵(須賀貴匡)の幼い長男が迷子になり、奈津の前に現れ…。
朝ドラ カーネーション 第7週 感想
父・善作はいつも酒ばかり食らうようになる一方で、独立した洋裁師としてやっていけると自信を深める糸子。呉服店をやめて洋裁店を始めたいと言う糸子は、善作から「もう一軒よその店を繁盛させてみい」と売り言葉に買い言葉。そこで「ロイヤル」の次に修行に出たのが生地問屋の「末松商店」。
酔っ払った顔して、ただただ無理難題を糸子に無理難題を押し付けているように見える善作にはある覚悟が。第7週の最後のお話である第42回には、ヒロイン・糸子だけでなく視聴者もびっくり仰天するような事件が起こります。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第8週「果報者」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第43話
善作(小林薫)は小原「洋裁店」とするべく、質屋の雇われ店主となり、家族と共に家を出た。戸惑う糸子(尾野真千子)だが千代(麻生祐未)に励まされ、ハル(正司照枝)との2人暮らしを始める。迎えた開店の日、家族たちに祝福され気持ちを新たにする糸子。しかし急には繁盛せず、ヤス子(中村美律子)からは前のように裁断だけを頼まれてしまう。そんなある日、珍しく伯父・正一(田中隆三)に連れ出され意外な人物と再会する。
朝ドラ カーネーション 第8週 感想
父から「小原洋装店」の看板をもらいようやく店の主人となった糸子に、おじの松坂正一(田中隆三)が縁談の話を持ち込みます。その相手はなんと紳士服テーラー「ロイヤル」で同僚であった川本勝です。商売のことで頭がいっぱいで結婚のことなどそっちのけの糸子にも関わらず、安岡勘助(尾上寛之)をはじめとした周囲の人間が騒ぎ立てます。
結局、川本勝は小原家の婿となって小原勝として、糸子と結婚します。この糸子の結婚を手助けしたのは、糸子のライバル・吉田奈津です。第8週は糸子と奈津の「友情物語」なのです。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第9週「いつも想う」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第49話
勘助(尾上寛之)に赤紙が来て、糸子(尾野真千子)らは盛大な壮行会を開いて送り出す。しばらくして勘助から届いたハガキは、検閲の墨で塗り潰されており、嫌悪感を覚える糸子。翌年には国家総動員法が施行され、戦時色が強まっていくが、洋装店は繁盛する一方だった。昭和14年夏、2番目の子どもを妊娠中の糸子は、仕事中に立ちくらみを起こし、心配する善作(小林薫)によって強制的に神戸の松坂家へ行かされることになる。
朝ドラ カーネーション 第9週 感想
第9週から戦時色が強くなります。松坂家の紡績工場では民間の繊維製品ではなく、軍需物資を作らされることになります。その一方で人々の洋服を着てオシャレをしたいと言う気持ちはますます強くなり、糸子の洋装店はますます繁盛します。
そんな中、糸子の小学生の時からの幼馴染である勘助が出征し、第9週の最後の第54回には除隊して岸和田に帰還します。でも何か様子がおかしい。どうした勘助?
朝ドラ カーネーション あらすじ 第10週「秘密」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第55話
昭和16年12月、太平洋戦争が始まる。糸子(尾野真千子)のもとに国防婦人会の澤田(三島ゆり子)たちがやって来て、モンペを強要する。嫌がっていた糸子だが、その動きやすさを気に入り、戦争中、モンペでもオシャレを忘れない女性がいると実感する。ある日糸子は、戦地から戻って閉じこもっていた勘助(尾上寛之)が仕事に出ているとを知り、サエ(黒谷友香)に会わせ元気づけようとするが、大きなショックを与えてしまう。
朝ドラ カーネーション 第10週 感想
太平洋戦争が糸子の生活にまで入り込み、夫の勝に召集令状が届きます。勝が兵士として連隊の駐屯地に向かっていった後の小原家では、勝が女性と浮気疑惑が発覚。そして驚く糸子にさらなる出来事が。なんと父・善作が大やけどを負います。
「さては善作は死んだな」と思せる朝ドラ特有の表現ですが、果たして善作はこのまま亡くなってしまうのでしょうか。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第11週「切なる願い」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第61話
善作(小林薫)が、火鉢に油の瓶を落としたことから火事になり、糸子(尾野真千子)は身重の体も忘れて必死に善作を助け、病院へ運び込む。一命を取りとめたものの、善作は絶対安静を命じられて小原家へ戻ってくる。千代(麻生祐未)や妹たちに頼ることもできず、休む間もなく後片づけを始める糸子だが、陣痛が来て、その夜三女を産む。無事誕生を知って、隣の部屋で寝ていた善作もハル(正司照枝)も安どの涙を流すのだった。
NHKクロニクル 連続テレビ小説 カーネーション(61) 「切なる願い」より
朝ドラ カーネーション 第11週 感想
糸子の夫は出征、父は重体。すでに小原家と「オハラ洋装店」を立派に切ります女主人の糸子。統制経済のため、女性の外出着はモンペに変わってしまったものの、オシャレ心は止まりません。糸子は祖母・松坂貞子が大島織の着物を裁断してモンペにしていることをヒントにしてあるビジネスアイデアが。このアイデアは「カーネーション」第14週以降の伏線にもなります。
一方、年老いてますます体も存在も小さくなっていく父の善作。岸和田商店街の木之元や木岡たちと加賀温泉に向かいますが、糸子の元に突然の訃報が。「オヤジをそこで死なせるのか」とNHKに変化球を投げられたと感じる週です。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第12週「薄れゆく希望」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第67話
危篤を知った糸子(尾野真千子)は隣家に駆け込むが、旅先にいるはずの善作(小林薫)の幻を見たと言われ、死を悟る。3日後、骨つぼを抱えて戻ってきた木之元(甲本雅裕)らを前にし、糸子は世話をかけたとわび、立派な葬式を出すと決意する。通夜でも気丈に振る舞う糸子。だんじりの時の写真を前に、思い出話しに花が咲く。しかし手伝いに来た女性たちは、潤沢にある食料を怪しむ。そうとも知らず改めて善作を思う糸子だった。
NHKクロニクル 連続テレビ小説 カーネーション(67) 「薄れゆく希望」より
朝ドラ カーネーション 第12週 感想
日本の戦局が厳しくなる中、世間では食料事情がいっそう厳しくなっていきます。なのに小原家には野菜も米もたっぷり。一方で糸子の周りの「安岡髪結い店」や「吉田屋」は閉店に追い込まれます。
大日本国防婦人会からミシンの供出を迫られ、「オハラ洋装店」もあわや廃業かと言うピンチに遭います。しかし、かつて父・善作から紹介されて在庫の反物を大量に買い付けた知り合いの男性から、兵士の戦闘服を作る仕事を請け負って、洋装店の事業を存続させることに成功。
話の中には登場しない亡くなったお父ちゃんが、糸子を陰ながら支えるという週です。
朝ドラ カーネーション あらすじ 第13週「生きる」
朝ドラ カーネーション あらすじ 第73話
昭和20年正月。糸子(尾野真千子)は娘たちを連れて清三郎(宝田明)と貞子(十朱幸代)を訪ねる。清三郎が口にした、亡くなった善作(小林薫)に冷たく当たってすまないという言葉に糸子は驚く。貞子は生き延びるようにと糸子を励ます。バケツリレーなど消火訓練をして空襲に備える毎日だったが、3月14日の夜、ついに大阪への空襲が始まる。警戒警報のサイレンに、糸子は家族や縫い子らをしったし、懸命に防空ごうを目指す。
朝ドラ カーネーション 第13週 感想
1945(昭和20)年、日本は戦争の最終局面を迎える年です。岸和田までは来なかったものの、大阪は米軍の大きな空襲に遭います。母・千代と祖母・ハル、3人の娘たちを疎開させることを決意します。それからの糸子には、食料を調達して疎開先の家族に自転車で届けることが仕事に加わります。
そんなとき泰蔵兄ちゃん・勘助・勝の戦死公報が相次いで届きますが、疲労困憊の状態で楽しかった時代を思い出す糸子は、「うちは絶対に死なへんで」と誓います。第13週の糸子の役柄のせいか、当時の尾野真千子さんも「カーネーション」の撮影で相当疲れてたのかなと邪推するほどでした。