奈津が「カーネーション」をテレビで見るシーンで終わる最終回
朝ドラ「カーネーション」の最終回では、97才になった奈津が、2011(平成23)年に岸和田中央病院で朝ドラ「カーネーション」の第1回を見るシーンで終わります。このシーンこそが「カーネーション」のネタバレです。
カーネーションの奈津とは
奈津とは尋常小学校のときから何かと小原糸子(尾野真千子・夏木マリ)と張り合ってきた人生のライバル・吉田(桜井)奈津(栗山千明・江波杏子)のことです。

カーネーションの奈津と糸子のエピソード
若いときにはカーネーションの奈津と糸子の間には、さまざまなエピソードがありました。これはその1つで戦前に料理屋の経営に行き詰まった奈津が夜逃げをしたことに、心配をしていた糸子が闇市でパンパンガール(街娼)になっていたところを発見した時のやり取りです。
早口でまくしたてていると、あばら家から女が出てきた。明らかにパンパンと思われる派手な格好をしているが、糸子が見間違えるはずもない。
「奈津っ…!? あんた…!?」
激昂した糸子は奈津に突進していって、白粉を塗った頬に平手打ちを食らわせた。
「あんたいったい、何してんや!? なんやその格好!? 言うてみい!言うてみいや!!」
尻もちをついた奈津に馬乗りになり、胸倉を掴んで揺さぶっていると、周防がすっ飛んできて、悲鳴を上げる奈津から糸子を引きはがした。
「関係ないやろ!!あんたに!!あんたなんか、なんも関係ない!!」NHK連続テレビ小説 カーネーション 下 65ページより
糸子はこのケンカのあと、奈津が「安岡美容室」で働けるよう、安岡のおばちゃん(濱田マリ)に頼み込みに行きます。
糸子は2006年(平成18)3月26日に92才で死亡
朝ドラ「カーネーション」の最終回で「カーネーション」の第1回が放送されるところから、遡ること5年前。小原糸子は2006年(平成18)3月26日に92才で病院で亡くなります。
同じ年の3月には糸子はうつろな意識で救急車に乗せられ、病院に入院しました。代わる代わる様々な人が見舞いに来る中、最後は静かに眠るように息を引き取ることになります。
小原糸子の死因は脳梗塞
晩年期の糸子は膝が痛くなったり、体が思うように動かなかったりと不調を訴えますが、どれも死にいたる病気ではありませんでした。
ですが糸子が最晩年に入院した時の症状を、「感じたことのない衝撃を体を覚えた。間髪を入れず強いめまいに襲われ、そのまま意識が遠ざかっていったのだ。」と「NHK連続テレビ小説 カーネーション 下」で描写されています。
このことから夏木マリさん扮する小原糸子が、亡くなるシーンは小原糸子のモデルとなった小篠綾子が、2006年3月26日に脳梗塞のために亡くなったことになぞらえた設定であると考えられます。
小原糸子のモデルは小篠綾子
朝ドラ「カーネーション」のヒロイン・小原糸子(青年期:尾野真千子)(老年期:夏木マリ)のモデルは小篠綾子です。小篠綾子とは日本の洋装文化の黎明期に活躍を始め、国際的なファッションデザイナーで有名な「コシノ三姉妹」の母親です。
「カーネション」が朝ドラ「カーネーション」で登場するフラグ
朝ドラの最終回で、その朝ドラ作品が登場して終わるという伏線は、第26週(最終週)「あなたの愛は生きています」の中で、2005(平成17)年に86才になった糸子の何気ない日常の中に描かれています。
「おはようございます…今日も一日よろしゅうお願いします…」
みんなの遺影に手を合わせたあと、朝食を食べながら二十年来の日課である朝のドラマを見る。
「せやけどほんま、うちの話もドラマにならんかいな」
ウインドウを拭きながら、掃除をしている孝枝に言うと、「なりませんて」とすげなく返された。しかし、自分で言うのもなんだが、なかなか面白い一代記になるのではないだろうかNHK連続テレビ小説 カーネーション 下 285ページより
カーネーション 相関図とキャスト 第23週から第26週まで
「カーネーション ネタバレ」や「カーネーション 最終回」に関わる第23週から最終回までのキャストと相関図です。
カーネーション 相関図

小原里香(おはらりか) 小島藤子
東京都内のミッション・スクールの高校に進学するが、母親の言いなりになるような生活に嫌気がさし家出をする。居候を始めた岸和田の「オハラ洋装店」では常にジャージを着て、昼まで寝ているという生活を繰り返す。
桜井奈津(さくらいなつ) 江波杏子
旧姓は吉田。戦後に再婚をして四国で生活をしていたが、2001(平成13)年に岸和田中央病院で糸子と偶然再開する。2011(平成23)年の時点でもなお存命で、糸子が生前に朝ドラのモデルになりたいと思っていた、「カーネーション」の第1回を視聴することになる。
山口孝枝(やまぐちたかえ)竹内都子
1985年(昭和60年)時点のオハラ洋装店の事務員。「オハライトコ」ブランドを立ち上げるとき、会計の仕方がまるでなってないことを商社マンの高山から厳しくなじられる。
河瀬譲(かわせゆずる) 川岡大次郎
生地問屋「川瀬商会」の御曹司。曾祖父が戦時中、大量の金糸入りの贅沢な生地を売れなくなり困っていたところ、糸子に買い取ってもらい助けてもらった話を聞き、友人の栄之助に糸子を頼ることを提案する。
吉岡栄之助とのコンビで糸子からは「アホぼん」呼ばわりされている。
吉岡栄之助(よしおかえいのすけ) 茂山逸平
譲の友人で、京都の老舗呉服屋の息子。中国へ出向き生地を買い付けたものの、間違えて100反発注する。譲から、譲の曾祖父が糸子に助けてもらった話を聞き、糸子に泣きつくが断られる。

河瀬譲とのコンビで糸子からは「アホぼん」呼ばわりされている。
龍村英一(たつむらえいいち) 辰巳琢郎
岸和田中央病院院長。糸子に病院でのファッションショー開催を依頼する。奈津の態度が変わるほどの男前であり、患者たちにも人気がある。