奈津が「カーネーション」をテレビで見るシーンで終わる最終回
朝ドラ「カーネーション」の最終回では、97才になった奈津が、2011(平成23)年に岸和田中央病院で朝ドラ「カーネーション」の第1回を見るシーンで終わります。
奈津とは若い頃から何かと小原糸子(尾野真千子・夏木マリ)と張り合ってきた人生のライバル・吉田(桜井)奈津(栗山千明・江波杏子)のことです。
画面の中で寝巻き姿の少女が瞳をキラキラ輝かせ、ぴょんぴょんと飛び跳ねている。
あの世で会ったときの、いい土産話ができた。あのおせっかいは、頼みもしないのに三途の川まで迎えに来るのに違いないのだから。
少し遠くなった奈津の耳に、歌が流れてくる。
「時は大正 岸和田に 生まれたひとりの女の子 名前を小原糸子と申します
着物の時代に ドレスに出会い 夢見て 愛して 駆け抜けた これはそのお話…」NHK連続テレビ小説 カーネーション 下 301ページより
「カーネーション」の登場人物が、朝ドラ「カーネーション」が始まるというところで、カーネーションが終わります。
糸子は2006年(平成18)3月26日に92才で死亡
朝ドラ「カーネーション」の最終回で「カーネーション」の第1回が放送されるところから、遡ること5年前。小原糸子は2006年(平成18)3月26日に92才で病院で亡くなります。
同じ年の3月には糸子はうつろな意識で救急車に乗せられ、病院に入院しました。代わる代わる様々な人が見舞いに来る中、最後は静かに眠るように息を引き取ることになります。
小原糸子の死因は脳梗塞
晩年期の糸子は膝が痛くなったり、体が思うように動かなかったりと不調を訴えますが、どれも死にいたる病気ではありませんでした。
ですが糸子が最晩年に入院した時の症状を、「感じたことのない衝撃を体を覚えた。間髪を入れず強いめまいに襲われ、そのまま意識が遠ざかっていったのだ。」と「NHK連続テレビ小説 カーネーション 下」で描写されています。
このことから夏木マリさん扮する小原糸子が、亡くなるシーンは小原糸子のモデルとなった小篠綾子が、2006年3月26日に脳梗塞のために亡くなったことになぞらえた設定であると考えられます。
小原糸子のモデルは小篠綾子
「カーネション」が朝ドラ「カーネーション」で登場するフラグ
朝ドラの最終回で、その朝ドラ作品が登場して終わるという伏線は、第26週(最終週)「あなたの愛は生きています」の中で、2005(平成17)年に86才になった糸子の何気ない日常の中に描かれています。
「おはようございます…今日も一日よろしゅうお願いします…」
みんなの遺影に手を合わせたあと、朝食を食べながら二十年来の日課である朝のドラマを見る。
「せやけどほんま、うちの話もドラマにならんかいな」
ウインドウを拭きながら、掃除をしている孝枝に言うと、「なりませんて」とすげなく返された。しかし、自分で言うのもなんだが、なかなか面白い一代記になるのではないだろうかNHK連続テレビ小説 カーネーション 下 285ページより
「NHK連続テレビ小説 カーネーション」上下巻のすすめ
「NHK連続テレビ小説 カーネーション 上」と「NHK連続テレビ小説 カーネーション 下」を続けと読んでいると、このセリフが何を意味するかなんとなく分かるでしょう。
この何気ない描写こそ、朝ドラ「カーネーション」最終回に朝ドラ「カーネーション」が放送されるというラストにつながります。
2024年9月23日月曜日から再放送される朝ドラは最終週の第26週まで注意して視聴するようにしましょう。